Sheena & The Rokkets New Album 2001
BakuonMix - 19Lives

Message from 鳥井賀句（ＲＯＣＫ評論家）

新しい21世紀という時代の幕開けに、素晴らしいロックン・ロールのお年玉が届 いた！我らがシーナ＆ロケッツのスペシャル・ライブ・アルバム『爆音ミックス~19 LIVES~』がそれだ。
　2000年、20世紀の終わりの年に、78年のグループ結成以来、通算15枚目の オリジナル・アルバム『ＲＯＣＫ　ＴＨＥ　ＲＯＣＫ』をリリースしたシーナ＆ロケ ッツは、オリジナル・ドラマーの川嶋一秀を復帰させ、サイド・ギターをベースに持 ち替えた渡辺信之、ギターの鮎川誠、ボーカルのシーナという最小最強のユニットと なり、まるで２０世紀最後の音楽シーンに落とし前を付けようとするかのように、精 力的なライブ活動を行ってきた。７月のフジ・ロック・フェスティバルでの炎天下の 灼熱のステージをハイライトに、札幌、博多、名古屋、大阪、東京で行われたＲＯＣ Ｋ　ＴＨＥ　ＲＯＣＫ　ＴＯＵＲ，またある時は、ノート・パソコンにインプットし たバッキング・トラックに、鮎川誠のギターとシーナのボーカルという最新・最小型 スタイルでのレコード店インストア・ライブを行ったりもした。

　9月25日、東京渋谷クラブ・クワトロでのワンマン・ライブのステージの上か ら、鮎川誠が言い放ったこの言葉を忘れることができない。「俺達がやらんと、ロッ クン・ロールは２１世紀にはもうないけん！」。ブランキー・ジェット・シティやス トリート・スライダーズの解散等、日本のロック・シーンの状況は絶好調とは言いが たい。そんな厳しい状況に対し、鮎川誠が言い放ったこの言葉を聞いた時、1975 年の伝説のサンハウスでのデビューからシーナ＆ロケッツの現在まで、実に25年も の間、現役でロックン・ロールをやり続けてきた彼の、ロックン・ロールへの絶える ことのない愛情と、それを次世代へ伝えていこうとするロックン・ロール伝道師とし ての誇りと覚悟を感じ、目頭が熱くなったのを覚えている。

　ここに届けられたこの『爆音ミックス~１９ ＬＩＶＥＳ~』は、各地で行われたＲ ＯＣＫ　ＴＨＥ　ＲＯＣＫ　ＴＯＵＲのライブから全１９曲、よりすぐりの演奏ばか りを集めたものだが、企画段階から彼らのホーム・ページで行われていたファンによ る人気曲の投票結果を少なからず反映させた、まさに彼らの膨大なレパートリーの中 から”ＢＥＳＴ　ＳＯＮＧＳ”ばかりを集めた”ＢＥＳＴ　ＬＩＶＥ”アルバムとな っている。
　脳天を一撃するかのような「ＢＡＴＭＡＮ　ＴＨＥＭＥ」で１曲目が始まり、シー ナが登場する３曲目、キンクスのカバー「ＹＯＵ　ＲＥＡＬＬＹ　ＧＯＴ　ＭＥ」で 会場は一気にロックン・ロールの熱い熱気に包まれる。セクシーなミニ・ドレスに身 を包み激しくシャウトするシーナは、まさしく”クィーン・オブ・ロックン・ロー ル”だ。川嶋と渡辺の重厚なリズム隊が重戦車級のビートを刻み、その上を鮎川誠の マシンガン・ギターがエモーショナルに、トウィンギーに駆け回る。何のギミックも ないたかがロックン・ロール、だがこれぞロックン・ロール！！「ＬＥＭＯＮ　ＴＥ Ａ」，「ＹＯＵ　ＭＡＹ　ＤＲＥＡＭ」と、彼らの代表曲で締めくくられる終盤戦の ラストを飾るのは、永遠のロックン・ロール・ジャンキー、ジョニー・サンダースの カバー「Ｉ　ＷＡＮＮＡ　ＢＥ　ＬＯＶＥＤ」だ。このパンキッシュなビートがたま らない！
　全１９曲を聴き終えた時、聴く者の体内の血管は、ロックン・ロールのアドレナリ ンで波打っているだろう。頭の中からはドーパミンが溢れ出しているだろう。初回プレス にのみ、1988年に彼らがニューヨークのＣＢＧＢで行ったライブから「ＬＥＭＯ Ｎ　ＴＥＡ」の未発表ライブ・バージョンが収められているのもファンには嬉しいプ レゼントだ。

　シーナ＆ロケッツが歌い演奏し続ける限り、僕らのロックン・ロールは大丈夫だ。 ローリング・ストーンズ、イギー・ポップ、パティ・スミス、ジョーイ・ラモーン、 ウィルコ・ジョンソン、パイレーツ�世界中のロックン・ローラー達と同じように、 この日本にはシーナ＆ロケッツがいる。『爆音ミックス~19 LIVES~』を聴 きながら、僕らはそのことを誇りに思うはずだ。そうだろう？ロックの好きなベイビ ー達！！

鳥井賀句（ＲＯＣＫ評論家）

Sheena & The Rokkets

Tamco Mobile Recorded By Mikiro Yamada & Keiiti Yamada
P.A. Engineered by Noriyoshi Takayanagi
Bakon Mixed by Mikiro Yamada assisted with Ken Matsuoka
at Victor 501 studio, SoundVillage, Yamanaka-ko
Mastered by Shigeo Miyamoto
Visual Planner ; Kenji Nakao
Artwrk ; Mitsuo Shindo & Ryoji Ohya for Kontempolary Production
Artist LogoDesign ; Yoko Ayukawa
Photo by Bob Gruen & Okumura

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