MUDDY WATERS/マディ・ウォーターズ
In the Spring of 1980 at Shibuya PublicHALL, Tokyoマディ・ウォーターズのコンサートの当日、初めてのCM(ヤマハのバイク)>の仕事の撮影日だった。チャンスがあれば抜け出そうとニューアルバム「真空パック」とマディ・ウォーターズの大好きなアルバム「セイル・オン」を持参していた。幸運なことに撮影が4時間ほど休憩になり、夜10時からの再開になった。撮影現場のテレビ朝日通り(六本木)から渋谷公会堂へ急ぐと、最前列の一番右端の席が買えた。
で、(Baby please don't goって聴いたとたん)今に至るまでの自分が、ロックに夢中になった想いが頭の中で回って、あの、涙が止まらんようになったです……。こんな涙が出よる自分、自分でイヤなわけ。おかしいやんけ、おかしいやんけ、かっこ悪いやんけ。でも涙が出てきて、眼の前が見えんようになって、ほんで、拭くっちゅうのが恥かしい。見えんようになって、一度立ったけどまた座ったんです。とにかくずっと聴き惚れて。(マディ・ウォーターズは)もう足が悪くて椅子に座って歌っていたんだけど、最後の曲に立ち上がってダンスをやったんです。ボ・ディドリーやジェームス・ブラウンやらのやる黒人しかできないみたいなタップまじえたやつ。ぼくは立ってかけ寄ったんです。ステージに。一番前に。誰もステージの前まで行かんかった。で、ぼくはこうやって(ステージにかぶりついて)観てた。そしたら、マディがぼくの前にきて色目使ってくれたのね、おお、よしよし、みたいに。ぼくは磁力に吸い寄せられるみたいで、それで胸いっぱいで感激して、こんな感激したコンサートはなかった。 (コンサートが終わって)出たら、ホトケ(永井隆・ブルースシンガー)かこの写真撮ってくれた小熊さん(小熊和美・カメラマン)か、どっちかが楽屋においでよ、マディに会えるよっち。ほんとうとかゆうて、ほんとのことゆうたらもう準備万端、もし会えるチャンスがあったらサインしてもらいたい、ぼくらのレコードプレゼントして聴いてもらいたい、しっかり小脇にかかえてた。……(楽屋に)こんにちは、ちゅうて入ったら……もう、お地蔵さんみたいに、おうおうおう、っちゅう感じで、こんな大きな手で握手してくれて、で、サインを書いて下さいちゅうたら書いてくれた。ぼくのロックのおやじはローリング・ストーンズとかビートルズ。だからマディ・ウォーターズはじめとするブルースマン、チャック・ベリーとかに思ってること、「To Grandfather of My Rock'n' Roll」っち書いて、ぼくのレコードプレゼントしたら、それを読んで、ガハハハって笑って、「Keep on Going, Keep on Going」って2度ぼくに、やんなっせ、やんなっせ、ガンガン行け行け、やれやれって……。それで写真のポーズとってくれて……。 その3年後だったか83年のぼくの誕生日(5月2日)の朝刊で、彼が亡くなった記事が朝日新聞に載ってた。彼が亡くなったのは4月30日……。「ブルースの父、ミシシッピー・ブルースの父」って写真入りでマディの死亡記事が載って、ぼくはアルバムにこれ(一緒に撮った写真)はるとき、何か悲しかったけど、偶然にもぼくの誕生日に載った記事も切り抜いて横にはっとる。……あの楽屋で、マネージャーが、マディ・ウォーターズのネーミング・カード(名刺)とかもくれたりして、それも宝物。大事にしてる。 Makoto Ayukawa (聞き手&構成/岡本おさみ、吉田妃呂) |
Like Robert Johnson, Muddy Waters' first instrument was the harmonica. He had that down by 13 years of age, and picked up the guitar at 17.
His influences include Son House and Robert Johnson.
He was recorded first by Alan and John Lomax and John Work at Stovall's Plantation in 1941 and 1942 for the Library of Congress and the Testament Label.
His journey took him to Chicago in 1943, and he had fully converted to the electric guitar by 1944.
from The Mudcat Muddy Waters Room
祝!!チェス・レコード 50周年 1947-1997
僕が初めて出会ったチェス・レコードは、「ベスト・オブ・マディ・ウォーターズ」です。日本でもブルースの気運が高まる中、ビクター・レコードからシリーズで発売されたソウル・アンド・ブルース・コレクションズの第二弾がこのアルバムでした。待ちにまって、ようやく手に入れたのは1969年11月5日でした。
SIDE A
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これは、日本独自の見事な選曲のベスト盤で、福田一郎/中村とうよう/桜井ユタカ 諸先生の解説も最高でした。これが僕のブルースの原点です。