ジュークロック塾の受講生のみなさん、こんにちは。いつも来てくれてありがとう!
前回の第四回は鮎川が音楽生活をやっていくうえで強い影響を受けた1969年ごろをピークに、前後2年のロックの話でした。
69話でいきなり余談ですが、サンハウスの盟友、菊こと柴山さんが今年の6月9日に69歳の誕生日を迎える、この記念すべき日にリリースすべく、鮎川プロデュース、シナロケ全面バックアップで新譜「ロックンロール・ミューズ」のレコ―ディングが無事終わりました。あわせて、菊+シーナ&ロケッツのツアーも発表されました。6月9日リリース、皆さんどうぞご支援よろしくお願いします。6969ROCK!がこの一大プロジェクトのあい言葉です。
高校(1964)から大学入学(1968)ころまでが俺の最初のハードなロック体験ですが、この69時代は自分にとってギターを弾く、バンドで一緒に音楽を作ることを踏まえた音楽探求へのシフトチェンジだったと今になって思います。そしてブルースを聴かないと俺のこれからのロックは始まらないという啓示をうけたのです。最初はストーンズやアニマルズ、キンクス、ヤードバーズなどイギリスのグループのレパートリーから、それがエリック・クラプトン、ジェフ・ベックの活動、ホワイトブルースバンドの台頭、ジミ・ヘンドリックスの登場、レッドツェッペリンと僕は大いに影響をうけまくりました。そして、本物のブルースマンのレコードがやっと日本でも発売が始まり、輸入盤が充実してくるのがだいたい69年前後やったですね。
さて今日のテーマは塾長・康ちゃんのご指定をいただきサンハウス時代によく聞いていたレコード、サンハウスがどう音楽を聴いていたか、レパートリーを作っていたかなどの話をします。
1970年の大学の夏休み、農学部の必須科目、実習旅行で北海道からの帰り、初の東京から帰ってきたらドアに張り紙があって(まだ俺には電話もない時代)バンドの誘いだったのがすべての始まりでした。篠山さんのアタックのベースの平野君がアパートに俺を呼んで、柴山さんと初めて対面した。俺はジョンリーフッカーのブギチレンのようなまねごとをギター弾いたのと、ヤードバーズのI'm A MANがやりたいね、といったのを覚えています。俺のレコードからアルバート・キングとオーティス・ラッシュとフレディ・キングの(日本で出たシリーズの)レコードも携えていたなあ。
秋に一度ダンスパーティの仕事の依頼がありギターに津和野をさそって柴山さんと、月世界というキャバレーで今宿青年団の会合でプレイした。どんな曲をやったかはほとんど覚えてない、ありあわせの曲だとしても、思いだせんばい。
「津和野!スプーンフルを歌いやい!」というようなノリで、もちろん事前にリハなどはやらなかった、みんな自分のレパートリーを持ち寄りでやった。終わった後、これはもうナシだな、と柴山さんは思ったそうだ。
その後連絡が途絶えたが、冬になって今度は篠山さんが専属バンドとしての仕事を取り付けて俺に誘いが来た。柴山さんにすぐにコンタクトを取り浦田をドラムに迎えサンハウスがスタートした。
サンハウスが初めて仕事をしたのは博多駅前のダンスホール、HONEY BEE、1971年の2月、いや、一月?ありゃ。
ハニービーというのはマディウォーターズの有名な曲があるけど、たまたま偶然ながらいい店からスタートを切ったものだ。
柴山さんの話ではこのころはサンハウスという名前はまだついてなかったそうだ。
3か月の契約やったけれど、その間に自然とミーティングを重ねてバンド名も決まったんやね。
5月からは定まっていなかったベースに、博多No1バンド、ヴァイキングの浜田卓が加入して、川端商店街のヤングキラーの仕事を柴山さんが持ってきた。ここから、5人のレコードコレクターとしての見識、趣味をぶっつけあいながらレパートリーの構築が始まりました。もちろん5人の共有のビジョンはブルースバンド。それは世界のロック界のトレンドでもあったし、「シカゴ」や「ブラッドスゥエット&テアーズ」のようなブラスも入ったグループもでてきたけれど、俺たちはもっとアーシーなカントリーブルースや直系のシカゴブルースが好みだったし、2枚組「シカゴブルース・ゴールデンパッケージ」と、3枚組ボックス、「RCAブルースの古典」がバイブルのようなものだった。ゼッペリンやジェスロタルのような、また、フリートウッドマックやキャンドヒート、さかのぼればポール・バターフィールドのようなスタイルでのアプローチが直接的なお手本だった。
ザ・バンドとか、もちろんボブ・ディラン、ストーンズはオールタイム・マスト・アイテムであったし、柴山さんがKINKSの新譜、いいよ、と教わって「パワーマン」などきいて、さかのぼって「サムシング・エルス」なども取り寄せて大いに影響された、そしたら「マスウェル・ヒルビリー」がまたまたよくて、ストーンズはフレッド・マクドウェルの「You Gotta Move」をスティッキーフィンガーズで取り上げるし、「メインストリートのならず者」ではロバート・ジョンソンの「Stop Breaking Down」は同じブルースバンドのラインに自分たちもいるような、同時代性を感じてうれしかったりもした。
サンハウスは昼は当時天神の福ビルのヤマハのレコードショップにいりびたって、レコード棚をあさったり、店員さんにコネを取り付けて試聴させてもらえるほどの常連だった。そして夜は大好きなブルースをたっぷりプレイした。ダンスホールが仕事場で本来ブルースはダンスをさせるための音楽でもあるから、客の月並みな流行り曲のリクエストなどは無視したけれどお店は目をつむってくれた。
今日はこの時代よく演奏していたサンハウスのレパートリーをリストアップしていますので、個々の曲やアーティストなどのこと趣くままに、ロック塾でお話ししたいと思っています。それではどうぞお楽しみに。
SONHOUSE REPARTLY (演奏したこと覚えているもの) # -Artist -Songs -Inspired/ Related 1 BEATLES With A Little Help 2 BEATLES For You Blue Elmore James 3 BEATLES Roll Over Beethoven Chuck Berry 4 Big brother & the holding co Summer Time (Trad) 5 Bo Diddley Can't Judge A Book By Looking It's Cover Long John Baldry 6 Bo Diddley I'm A Man Yardbirds 7 Bob Dylan Like a Rolling Stone 8 Bob Dylan My Back Page 浦田Sings 9 Bob Dylan Possitively 4th Street 10 Booker T. & MG's Green Onions 11 Chuck Berry Johnny B Goode 12 Chuck Berry Memphis 13 Doors Hello I Love You 14 Doors Light My Fire 15 Eddie Boyd Big Boat Jam At Chess 16 Eddy And The Falcons Intro (Inst.) 17 Elmore James Dust My Bloom Canned Heat 18 Elmore James I can't Hold out Fleetwood Mac 19 Elmore James Shake Your Money Maker Fleetwood Mac 20 Elmore James The Sun Is Shining Chicago Blues Golden Package 21 Elton John Western Ford Gateway 22 Fats Domino Blueberry Hill 23 Fleetwood Mac Lazy Poker Blues 24 Fleetwood Mac Rollin' Man 25 Fleetwood Mac Albatross 26 Fleetwood Mac Jewel Eyed Judy 27 Fleetwood Mac Station Man Kiln House 28 Fred McDowell 61 Highway 29 Freddie King Going Down Jeff Beck Group 30 Freddie King Remington Ride Chicken Shack 31 Freddie King Side Trucked 32 Grateful dead Morning Dew (Trad) 33 Homesick James Got to move Fleetwood Mac 34 Howlin' Wolf Tell Me Chicken Shack 35 J. B. Renoir Slow Down American Folk Blues Fes'66 36 Jeff Beck Group Spanish Boots 37 Jethro Tull Bouree Stand Up 38 Jethro Tull Going Back To The Family 39 Jimmy Reed Big Boss Man Grateful Dead 40 John Lee Hooker Dimples Spencer Davis Group 41 John Lennon Give Peace A Chance 42 John Lennon Hold On John 浦田Sings 43 John Littlejohn Dream 44 John Mayall The Death of J.B. Lenoir 45 John Mayall Little Girl Bluesbreakers With Eric Clapton 46 Johnny Tillotson Cutie Pie Lord Sutch 47 Kinks Sunny Afternoon 48 Kinks Waterloo Sunset 49 Led Zeppelin Tangerine 50 Lightnin' Hopkins Baby Please Don't Go 51 Little Eva Loco Motion 52 Little Richard Jenny Jenny 53 Little Richard Keep A Knockin' 54 Lloyd Price Lawdy Miss Clowdy 55 Moby Grape Hoochie 56 Monkees Stepping Stone 57 Muddy Waters Got My Mojo Workin' 58 Muddy Waters Hoochi Coochi Man 59 Muddy Waters I just wanna make love to you 60 Muddy Waters I'm Ready 61 Muddy Waters Rollin' Stone 62 Muddy Waters Rollin'& Tumblin' 63 Neil Young Tell Me Why 64 Otis Rush All Your Love American Folk Blues Fes'66 65 Otis Rush Homework Fleetwood Mac 66 Ramones Havana Affair 67 Rolling Stones Brown Sugar 鮎川Sings 68 Rolling Stones Come On 69 Rolling Stones Gimme Shelter 70 Santana Soul Sacrifice 71 Sonny Boy Williamson Bring It On Home Chicago Blues Golden Package 72 Sonny Boy Williamson Help me 73 Swinging Bluejeans Hippy hippy shake 74 The Animals We gotta get out of this place 75 Ventures Walk Don't Run 76 Who We Won't Get Fooled Again 77 Willson Pickett In The Midnight Hour 78 Yardbirds For Your Loverockjuke top - ROCKJUKE#5