新 刊

1996.1.25 version



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「DOS/Vブルース」
(鮎川 誠著)

 日本を代表するロック・ギタリスト、シーナ&ロケッツの鮎川誠が書いたロックンロールPCエッセイ。パソコンと出会いからホームページ開設までが自らの経験で語られている。

 内容は、まずパソコンに触れるきっかけからスタート。ローリング・ストーンズのミック・ジャガーがパソコンを使い、さらにインターネットでライブを中継するとき聞き、パソコンに興味を覚える。さらに、ボブ・ディランのCD-ROMと出会いパソコンへの憧憬が深まる。そうなると今度は機種選びだ。MACとDOS/Vの狭間で悩むものの、モデムの有無、値段などを総合的に判断、最終的にはDOS/Vに決定。購入を果たせば、今度はいかにしてパソコンを使いこなすかだ。電話サポートセンターとのやりとり、OSの再インストール、プロバイダーへの接続など、一般のユーザーが必ず一度は通るであろう、つらくて遠い道のりが実体験として語られている。さらに、見るだけでなく自分でも情報発信しなければ、との恩師の言葉にホームページ作成を決意。自らの手でホームページを作り、さらに、アメリカのサーバーにページを移転、拡充するまでが、失敗談をまじえながら語られている。

 パソコン、インターネットがいかに楽しいかが実体験を持って語られ、さらにそれに至るまでの過程の苦労の多さも同時に描かれている点がこの本の特徴。訳知りの評論家が書く「パソコン入門書」にはないリアリティがある。最後には、鮎川流ホームページの作り方のエッセンスと鮎川おすすめの音楽サイトの一覧表も掲載。パソコンで、インターネットでロックしたい向きには一読を勧めたい1冊だ。

(幻冬舎刊/1,648円)


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