TORAME 能城 順一氏からのメッセージ

BluesCity2001 WAKE UP

〜ロックという文化を通じて、障害者と健常者が知り合い ふれ合うことができる コンサート〜

   新横浜にある障害者スポーツ文化センター「横浜ラポール」。この場所で、行政の 力に頼らずアーティスト自身が企画・主催するロック・コンサートを開催したいと考 えたのは、今から3年前のことである。

 私はロックバンド「TORAME」のボーカリストとして、18年にわたり横浜で 活動を続けてきた。そして一人の障害児の父親でもある。現在7歳になる息子。 障害 をもってこの世に誕生してきた我が子との生活の中から生じた様々な想いを 、 そのまま 歌詞にしてバンドサウンドに乗せて歌い続けている。
幼い頃からロックという音楽に 心を奪われてきた私には、いまだにロックという音楽 が大きなパワーを持ち 、人々の心を揺り動かせるものであると思えてならない。

まだロックミュージック自体がメッセージであり、運動であると信じている。
そしてそれは、現在巷に氾濫する子供だましの商業サウンドではなく、あの60年代・ 70年代、 人々が心から欲し、大きなムーブメントを巻き起こしていった時代のサウ ンドである。

 今なぜ、「障害者と健常者がふれあえるコンサートがなのか?」という問いにも、 いつもこのように答えることにしている。障害者の中にもロックを愛していたり、知的 な障害をもっていても、ロックを体で感じることができる人が多くいることを私は知っ ている。しかし、実際にそのような人々が気軽に足を運び、しかも苦にならないような 金額でロックを楽しめるライブハウスやホールが、どれだけこの横浜にあるのだろうか?
地下の細い急な階段を下っていくライブハウス、万もする金額を支払っても、なかなか 心から楽しむことのできないホールやアリーナでのコンサート。しかし、今なお真の ロックは大きなパワーをもち、人々の心を揺り動かせる音楽なのである。「人権だ福 祉だ」と日頃叫んでいても、いざ自分の身にふりかかると逃げてしまう人が多くいる。
また「障害や差別」について考えたことのない人々が多くいることも確かであろう。
私たちTORAMEが歌の中で叫び続けるのは、単に障害をもった人々に対してだけの ものではない。むしろ、その他の何も知らない、関心すらない人々に対してこそ向けら れているのだ。

 私たちは5月9日、障害者たちが安心して来場できる設備と環境を整えた新横浜の 障害者スポーツ文化センター「横浜ラポール」という場において、ロックという文化を 通じて障害者と健常者が知り合い、ふれ合うことができるコンサート「Wake Up」を 開催する。今回のコンサートは、行政の力に頼ることなく、アーティスト自身が企画・ 主催するロックコンサートである。

 横浜・横須賀に大きなムーブメントを巻き起こしている「BluesCity」。流行に流 されることなく、真のロックを求めて本気で活動しているアーティスト・スタッフたち の 集団である。
私はこの「BluesCity」の活動に参加し、数多くの心あるアーティストたち に出会い 学んだ。そして、5月9日「Wake Up」。私は、その「BluesCity」の仲間 たちと ともに 、ロックコンサートを創りあげていく 。

 さらに、この「Wake Up」には、今回のコンサートの趣旨に賛同して、日本を代表 する ロックミュージシャン鮎川誠氏率いるSHEENA & THE ROKKETSが参加する 。
日本のロック界を、20年に渡り引っ張ってきたSHEENA & THE ROKKETS。
昨年度開催されたフジロックフェスティバルでも、日本が誇る代表的バンドと して イギーポップやエルビス・コステロに一歩も引かない圧倒的な存在感を示した。 このコンサートに来た人々全てに、 SHEENA & THE ROKKETSは、ロックの素晴しさ と大きな力を与えてくれるものと確信している。

 障害をもっていても、ロックを愛する人がいることを私は知っている。また、それ がロックだと知らなくても、心や体で感じることのできる、障害をもつ人がいること も私は知っている。そして、ロックを心から愛している横浜横須賀「BluesCity」に 参加する人たちのことも、私は知っている。それらすべての参加者たちが知り合い、 ふれ合うことができるコンサートこそが、「BluesCity 2001 Wake Up」なのである。

                     

                        文/TORAME 能城 順一
 

Text Thanks to Hippy Happy House

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Kopyright (K)1999
Makoto Ayukawa
RokketWEB