“東急ワールドミュージック・スペシャル In Bunkamura”
構成・台本 永井 隆
STAGE PORT 進行・MC 映像(PJ&DL-1) 備考 ◯開場※客電(70%) BGM有り ・ステージ/白紗幕(ドン帳)DOWN&大黒幕(バック)DOWN ★開演15分前/上映START(※客電50%位にdown) 映画『Lightning In A Bottle』より抜粋 ※映像終了?客電落ちる?白紗幕 UP ◯開演 ○永井隆(以下:MC)下手MC位置に登場 (○MC中/木村充揮&KOTEZ&浅野祥之スタンバイ)「みなさん、こんばんは。今夜の“東急ワールドミュージック・スペシャルイン Bunkamura”は東急グループが世界の音楽を紹介する1年に1回のスペシャル・イベントです。これまでさまざまな世界の音楽を紹介してきましたが、今回は“ブルース”です。わたくし、今日のコンサートのナビゲーターをさせていただく永井隆です。よろしく御願いします。今回はタイトルにあるようにブルースの歴史を追いかけながら、ブルースの素晴らしさをみなさんに知っていただこうと企画しました。ブルースは19世紀の終り頃にアメリカの南部で生まれたと言われていますが、正確な時期や場所はわかっていません。歌ったのは南部の貧しく、名もない黒人農民だったと言われています。彼らが貧困や人種の差別から生まれるさまざまなブルー、つまり憂鬱を自分の心から吐き出すために歌ったのがブルースの始まりで、レコードとして記録され始めたのは1920年代で、当時のブルースはカントリー・ブルース、または多くのブルースが生まれたミシシッピー川の流域の三角地帯からデルタ・ブルースと呼ばれています。今日は最初にその古いブルースに共感を持ち歌い始め、30年以上歌い続けてきた元憂歌団の木村充揮君に20-30年代のブルースをベースにした彼のオリジナルから聞いてもらいます。ブルース・ハープのKOTEZ、ギターに浅野祥之、そしてヴォーカルに木村充揮です」
◯永井ハケる。 M-1. 嫌になった (憂歌団) (木村充揮: vo、KOTEZ: harp、浅野祥之: g/スロー・ブルースバラード) < TALK >(木村短いコメント)※浅野スライドギター持ち替え M-2. Shake Your Money Maker (Elmore James) (木村充揮: vo、KOTEZ: harp、浅野祥之: g/アップ・テンポ・シャッフル) ○MC登場 「木村充揮、KOTEZ、そして浅野祥之でした」 ※No.23/上手スクリーンDOWN ◯木村、KOTEZ、浅野ハケる。 ◯ギター塩次伸二、ピアノ小島良喜スタンバイ ◯LEOは袖にスタンバイ「南部でカントリー・ブルースのレコーディングが盛んに行われた1920年代から30年代、北部のシカゴ、セントルイス、ニューヨークといった都市では、ベッシー・スミス、マ・レイニーなどジャズ・テイストをもった女性シンガーのブルースが流行しました。その女性ブルースの流れは50年代には、より踊りやすいR&Bとなってルース・ブラウン、エスター・フィリップスなどの素晴らしい女性ブルース・シンガーが誕生しました。では、ここで今日の紅一点、女性シンガーのLEOさんを迎えて30年代と50年代の女性のブルースを歌ってもらい、そして2曲目は小島良喜にブルースの特徴的なリズムのひとつであるブギウギを披露してもらいます。ギター塩次伸二、ピアノ小島良喜。そしてヴォーカル、Miss. LEO !」 ★スライド:ベッシー・スミス (MC中からF.I.、歌に入ったところでF.O.)
◯MCハケる。 ○演奏をバックにLEOが「Woman Be Wise」の詞についてすこし話し、歌に入る。 ※スライド F.O.?No.23/上手スクリーンUP M-3. Woman Be Wise (Sippie Wallace) (LEO: vo、塩次伸二: g、小島良喜:piano/ジャズブルース・バラード) ※No.23/下手スクリーンDOWN?スライド F.O.?No.23/下手スクリーンUP ★スライド:ルース・ブラウン M-4. Mama, He Treats Your Daughter Mean (Ruth Brown) (イントロでF.I.、歌に入ったところでF.O.) (LEO: vo、塩次伸二: g、小島良喜:piano/アップ・テンポのブギ・アレンジ/ピアノ小島ソロをフィーチャー) ○MC登場 MC「ヴォーカル、Miss.LEOでした」 ※No.23/上手スクリーンDOWN ◯小島は残り、塩次、LEO ハケル。 ◯KOTEZ:harp、浅野祥之:g、松原秀樹:b、沼澤尚:dr セッティング ※No.23/上手スクリーンDOWN「苛酷な南部の生活に明日を見い出せず、産業が発展していく北部の都市に希望を抱いた南部の黒人たちが移住し始めたのが1940年代でした。同じ時期、ギターやベースがエレクトリック化され、とくにエレキ・ギターはブルースにおける重要な楽器となっていきました。そんななか、大都会シカゴで伝統的な南部のブルースの匂いを残しながら、エレキ・バンドとしてのサウンドをつくり上げたのがマディ・ウォーターズという人でした。彼らのブルースは斬新なサウンドでありながらも遠い故郷、南部のミシシッピーの風景や匂いを思い出させるものがあり人気を得ました。それは後に「エレクトリック・シカゴ・ブルース」と呼ばれ、それは現在のロックバンドの原型ともなりました。そのシカゴ・バンド・ブルースを私が歌います。では、今夜の“The History Of Blues Band”のメンバーの紹介をさせてください。
(MC中からF.I.、歌に入ったところでF.O.) ◯MCハケる。 ※スライド F.O.?No.23/上手スクリーンUP M-5. Long Distance Call (Muddy Waters) (永井隆:vo&g、浅野祥之:g、松原秀樹:b、沼澤尚:dr、小島良喜:key、KOTEZ:harp /スロー・ブルース) ○MC登場・MC中/※塩次&BHB(ビッグ・ホーンズ・ビー)セッティング、スタンバイ。「ブルース史上、ギターの1本の弦を中心に行うソロ演奏を革命的に発展させ、モダン・ブルース・ギターの父と呼ばれたのがT.ボーン・ウォーカーというブルースマンでした。では、そのT.ボーン・ウォーカーの洒落たアレンジのブルースです」
◯MCハケる M-6. Treat Me So Low Down (T-Bone Walker) (永井隆:vo、塩次伸二、浅野祥之:g、松原秀樹:b、沼澤尚:dr、小島良喜:key、KOTEZ:harp、BHB:6管 /4ビートから16ビートにリズムが変化するモダン・ブルース) ○MC登場 MC「ギター塩次伸二、ハープKOTEZでした」 ◯塩次、KOTEZハケる
「では、このコンサートのブルース・ホーンズ“BHB”を紹介します。サックス金子隆博、織田浩司、トランペット小林太、佐々木史郎、トロンボーン河合わかば、 バリトン・サックス山本一です。さて、1940年代にはジャズとブルースの融合からジャズ・ジャンプ・ブルースと呼ばれる音楽が流行し、とくにブルースのダンサブルなリズムがジャズに強い影響を与えました。では、そのジャズ・ジャンプ・ブルースのインストルメンタルをビッグ・ホーン・ビーをフィーチャーして演奏してもらいます。曲はデューク・エリントンの『Things Ain't What They Used To Be』です」
◯MCハケる M-7. Things Ain't What They Used To Be (Duke Ellington) (浅野祥之:g、松原秀樹:b、沼澤尚:dr、小島良喜:key、BHB:6管/Instrumental) ○MC登場 MC「ビッグ・ホーンズ・ビーでした」 ◯演奏後、全員ハケる。 ※No.23・26/両方スクリーンDOWN
「ここで、アメリカからのスペシャル・ゲストを迎えたいと思います。みなさんの中にも御覧になった方がたくさんいらっしゃると思いますが、去年マーティン・スコセッシが総監督をした7本のブルース映画シリーズ『ブルース・ム?ヴィ・プロジェクト』が公開され、大きな評判になりました。この映画シリーズはブルース生誕100年を記念してアメリカが国家的に行った事業の一環でした。そのなかでスコセッシ自身が監督した映画『Feel Like Going Home』で、ブルースの起源を辿りアフリカまで旅するナビゲーター役として重要な役割を果たしたのが今日のためにアメリカから参加してくれたMr.コーリー・ハリスです。コーリー・ハリスさんはまだ30代半ば、最初は英語やフランス語の先生をしながらストリートでブルースを歌っていましたが、『Between Midnight And Day』というアルバムで94年にデビューしました。ドブロ・ギターという金属製のボディの楽器を弾きながら20?30年代のカントリー・ブルースマンを彷佛とさせる力強く、土の薫りのする魅力あふれるブルースを歌う、いま最も注目されているミュージシャンです。大きな拍手で! Mr.コーリー・ハリス!」 ★左;『Feel Like Going Home』フィルムと右;スチール写真
(MC中からF.I.、歌に入ったところでF.O.)
◯MCハケる。 ※動画 F.O.?No.23・26/両方スクリーンUP M-8. C. C. Pill Blues (Corey Harris) M-9. Special Rider Blues (Corey Harris) M-10. Jack Of Diamonds (Corey Harris) ○MC登場 「ミスター、コリー・ハリスでした」 ◯コリー・ハリス ハケル。 ※No.23/スクリーンDOWN ◯鮎川誠登場&セッティング ※No.23・26/両方スクリーンDOWN「さて、時代は50年代に入ります。この時代になるとブルースをベースにしたさまざまな音楽が登場します。先ほどお話したジャズ・ジャンプ・ブルースのルイ・ジョーダンの斬新なブルースの歌詞とシカゴ・ブルースのサウンドのもとに生まれたのが、偉大なチャック・ベリーが作り上げたロックンロールでした。そして、南部ニューオリンズでも同時期にリトル・リチャードというピアニスト・シンガーが非常にテンションの高いダンス・ミュージックをブルースから作り上げ、やはりロックンロールと呼ばれるようになりました。そしてそれが大西洋を渡りローリング・ストーンズやビートルズなど60年代のロックバンドを生むことになったのはみなさんも御存知と思います。では、チャック・ベリーとリトル・リチャードのロクンロールをシーナ&ロケッツの鮎川君に歌ってもらいます。では、鮎川誠!」 ★スライド:チャック・ベリー (MC中からF.I.、歌に入ったところでF.O.)
◯MCハケる。 ※動画 F.O.?No.23/スクリーンUP M-11. Carol (Chuck Berry) (鮎川誠:vo&g、浅野祥之:g、松原秀樹:b、沼澤尚:dr、小島良喜:key/アップ・テンポ・ロックンロール) < Talk >※鮎川少しMC。その間にBHB登場、セッティング。 ○BHB(ビッグ・ホーンズ・ビー)入る。 M-12. Keep A Knockin' (Little Richard) (鮎川誠:vo&g、浅野祥之:g、松原秀樹:b、沼澤尚:dr、小島良喜:key、BHB:6管/アップ・テンポ・ロックンロール) ○MC登場 「鮎川誠でした」 ◯鮎川 ハケル。 ※No.23/スクリーンDOWN
「港町ニューオリンズではブルースに海の向こうのカリブの音楽やインディアンの音楽、またヨーロッパの音楽など様々な要素が混じり合って、独特なグルーヴ感やメロディ感のあるリズム&ブルースと呼ばれる音楽が発展しました。そしてファッツ・ドミノ、プロフェッサー・ロング・ヘアー、アール・キングなど素晴らしいミュージシャンたちが、後世に残る名曲の数々を作り上げました。今日は現在ニューオリンズに在住、パパ・グロウズ・ファンクというバンドのメンバーとして、また多くのレコーディングで活躍している山岸潤史に登場してもらい、その名曲のひとつ『Big Chief』を演奏してもらいます。山岸潤史!」
★スライド:プロフェッサー・ロングヘアー (MC中からF.I.、歌に入ったところでF.O.)
◯MCハケる。 ※スライド F.O.?No.23/スクリーンUP M-13. Big Chief (Professor Longhair) (山岸潤史:g、浅野祥之:g、松原秀樹:b、沼澤尚:dr、小島良喜:key、BHB:6管/8ビート・アップテンポ) ◯永井登場?参加 M-14. Shake A Hand (Little Richard) (永井“ホトケ”隆:vo、山岸潤史:g、浅野祥之:g、松原秀樹:b、沼澤尚:dr、小島良喜:key、BHB:6管/3連アップテンポ) MC「山岸潤史でした」※永井センターで山岸送り出し?MC位置へ移動 ◯山岸潤史、ハケる。 ◯近藤房之助スタンバイ
「50年代には黒人音楽のもうひとつの大きな柱であるゴスペルの要素がブルースに大胆に取り入れられるようになりました。ブルースの世界でゴスペル・テイストを取り入れてもっとも成功したのが、80歳を越えたいまも現役で活躍するブルースの王様、偉大なB.B.キングです。彼は現在のブルースの主流となるモダン・ブルースのギター・スタイル、歌唱法、またバンド・サウンドをつくり上げました。では、今日たどってきたブルースの歴史の大きな1ページ、モダン・ブルースを近藤房之助に歌ってもらいます。近藤房之助です」
◯MCハケる。 M-15. Let's Have A Natural Ball (Albert King) (近藤房之助:vo&g、浅野祥之:g、松原秀樹:b、沼澤尚:dr、小島良喜:key、BHB:6管/アップ・テンポ・シャッフル) ※No.23・26/両方スクリーンDOWN ※スライド F.O.?No.23・26/両方スクリーンUP ★スライド:B.B.キング M-16. Night Life (イントロでF.I.、歌に入ったところでF.O.)(Willie Nelson) (近藤房之助:vo&g、浅野祥之:g、松原秀樹:b、沼澤尚:dr、小島良喜:key、BHB:6管/スロー・ブルース) ※No.23・26/両方スクリーンDOWN ○MC登場「近藤房之助でした。いよいよ最後になります。ブルースにゴスペル的な要素だけでなく、ジャズ、ニューオリンズR&B、カリプソなどを取り入れ60年代ソウル・ミュージックの土台を作ったのが、昨年惜しくも亡くなったレイ・チャールズでした。それでは最後に全員でレイ・チャールズの最初の大きなヒットであった『What'd I Say』を歌いたいと思います。どうもありがとうございました」 ★スライド:レイ・チャールズ (MC中からF.I.、歌に入ったところでF.O.)
※スライド F.O.?No.23・26/両方スクリーンUP M-17. What'd I Say (Ray Charles)(全員/ラテン・ビート・ブルース) M-18. The Blues Is Alright (Little Milton)(全員/アップテンポ・シャッフル) ※No.23・26/両方スクリーンDOWN ★スライド:東急CMロゴ、タイトルロゴ 演奏終了?BGM?客電 F.I.?スクリーンDOWN?投影?終演アナウンス